ThornBirds
オーストラリアの荒原に生息し、外敵から身を守るために、いばらの茂みの中に巣を作りヒナを育てる鳥は、そのからだがいばらに刺されるたびに、清らかな美しい声をあげて鳴くので、ソーンバード(とげ鳥)と、人々は呼ぶという。私がこの鳥の話を読んだその瞬間に「ダビデのことだ」と口走ったが、「いつか『ソーン・バード』というタイトルで、ダビデの生涯を描きたい」とあこがれをいだいた。それから三十年も過ぎて全く忘れていたが、突然ある集会において、長年記憶の底に沈んでいた「ソーン・バード」への思いがよみがえってきた。そのとき、「ソーンバードを書きなさい」という霊のうながす声を聞いたように思う。私の心に沈んでいた記憶を引き出したできごとを話そう。